法務局で相続手続きの相談をする際のポイント
法務局で相続の相談をする場合の注意点
親や配偶者など親族が亡くなり、不動産を相続した場合は、相続登記が必要となります。
以前は相続登記をする場合は司法書士に全てお願いすることがほとんどでした。
最近、法務局で相続登記の相談する方が増加
最近はインターネットや書籍で相続について情報を手に入るようになりました。また、少しでも相続手続き費用を抑えたいということから、相続手続きを司法書士に依頼せず法務局に相談しながらご自身で相続登記申請する方が増加傾向にあるようです。
実際に、自分で相続登記をする場合、手続きを進める上で法律の知識も必要になりますし、平日に法務局へ行かないといけないなど手続き完了するまでに意外と労力がかかるものです。
また、以下のように自分で相続登記をする場合のデメリットももちろんあります。
自分で相続手続きをする場合のデメリット
① 戸籍の収集・相続人確定作業がスムーズにいかない
相続登記をするためにはまず相続人を確定する必要があります。
相続人を確定するためには、まず、被相続人(亡くなった人)が生まれてから亡くなるまでの戸籍を取得して、相続人を確定する必要があります。また、相続人が複数いる場合はそれぞれの戸籍も取り寄せる必要があり、兄弟がいる場合などは戸籍収集をする手間もさらに増えていきます。
② 相続人の確定が困難
想定していた相続人以外の相続人が出てきて、思った以上に時間と手間がかかってしまうケースが多数あります。
たとえば、初婚だと思っていた被相続人が実は再婚であったことから、前の配偶者との間に子どもがいた場合、その子供も相続人の対象になります。
この場合には、その子どもの戸籍収集もする必要があります。
また、被相続人の兄弟姉妹が相続人になるケースでは、被相続人の父親が結婚前に別の女性との間に子どもを設けていたなど、被相続人自身も知らなかった兄弟姉妹が出てくることもあります。
このような場合に備えて、被相続人の親の結婚前の戸籍まで調べなければなりません。 相続人の確定作業には専門的な知識も必要です。
相続人の確定が難しいケースの事例
③ 遺産分割協議の際に問題が生じることがある
相続登記の前提として遺産分割協議が必要になる場合、必ず相続人全員で遺産分割協議をしなければなりません。
遺産分割の際には以下のような問題が起こることが多く、この場合には専門家に相談しなければ手続きが難しくなってしまいます。
① 相続人の中に長い間連絡を取っていない人がいる
相続人の中に、疎遠になっていて何年も連絡をしておらず、そこに住んでいるかもわからないケースもよくあります。
全く面識がない相続人がいるケースも珍しくありません。遺産分割協議を行うために連絡をとろうにも、連絡をとる方法がわからず遺産分割協議が進まないこともあります。
② 遺産分割協議に参加できない相続人(未成年・認知症の方)がいる
相続人の中に未成年者とその親権者がいる場合には、家庭裁判所に申し立て、未成年者のために特別代理人を選任してもらわなければなりません。
また、相続人の中に認知症で判断能力を欠いている人がいれば、成年後見人を選任する必要もあります。もし相続人の中に行方不明者がいれば、不在者財産管理人を選任する必要が出てきます。
遺産分割協議で参加できない相続人がいるケース
※ 遺産分割協議がまとまらなければ調停や審判もあり得る
遺産分割協議がまとまらない場合には、家庭裁判所に遺産分割の調停や審判を申し立てなければなりません。
そうなると、自分で裁判所に出向かなければならないといった手間、又は弁護士へ依頼する必要も発生してしまいます。
④ 先代の相続登記がされていない
自分の父親や母親が亡くなり相続登記をしようとしたら、相続不動産の名義が祖父のままになっていたなど、前の代の相続登記がなされていないことがあります。
意外とあるケースが相続登記をしておらず、何代も前の方の名義になっていることもあります。
この場合には、祖父の代の相続人を確認する必要があり、かなりの時間がかかります。
⑤ 不動産に他人の権利が付いている
相続の目的となる不動産に、抵当権や地上権、賃借権などの他人の権利が付いていると、単に相続登記をすれば良いだけの問題ではないことがあります。
せっかく不動産を相続しても、その不動産に他人の権利が付いていれば簡単に売却することもできませんし、不動産を担保に銀行からお金を借りるのも難しくなってしまいます。 このような場合には、相続手続きをする際に、他人の権利を抹消するなどの手続きを同時に行っておいた方が安心です。
⑥ 登記申請書の作成には専門的な知識が必要
登記申請の際には、法律に定められたルールに則って登記申請書を作成し、必要書類を添付して法務局に提出しなければなりません。
法律の専門的な知識がなければ、登記申請書の作成が困難なこともあるので、一度専門家に相談をすることをお勧めします。
たとえば、相続登記の際の添付書類は、どんなケースでも同じというわけではありません。法定相続分どおりに相続した場合、遺言書がある場合、遺産分割協議書によって相続した場合など、それぞれのパターンで添付書類は変わってきます。
登記申請に慣れていなければ、きちんと揃えたつもりでも、必要書類が漏れていることがあります。そうなると、すんなり相続登記ができず、手続きが遅れてしまう可能性があります。
⑦ 自分で法務局に何度も出向かなければならない
法務局の窓口は平日の昼間しかやっていませんから、平日仕事をしている人は仕事を休んで法務局へ行かなければなりません。
なんとか時間を作っての法務局の窓口に持ち込んでも、もし書類に不備があればその都度正しく書類を作成したものを持参していく必要があります。
郵送での申請もできますが、必要書類が漏れていたり、補正が必要になったりすることもありますから、なかなかスムーズにいかないことがあります。
上記のように、相続登記を個人でやると、手間や時間ばかりがかかってしまい、うまくいかないことがあります。
相続登記を司法書士に依頼すれば、戸籍謄本など必要書類の収集から遺産分割協議書の作成まで全て任せることができます。
専門家が入ることで、煩わしい手続きをしなくてすむだけでなく、安心かつスピーディーに相続手続きを完了させることができます。
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※ 司法書士法施行規則第31条において、司法書士の附帯業務として相続人からの依頼に基づき、遺産管理人として遺産整理業務を業として行うことができる旨が定められております。
相続財産の価額 | 報酬額 |
---|---|
200万円以下 | 220,000円 |
500万円以下 | 275,000円 |
500万円を超え5000万円以下 | {価額の1.32%+20.9万円}(税込) |
5000万円を超え1億円以下 | {価額の1.1%+31.9万円}(税込) |
1億円を超え3億円以下 | {価額の0.77%+64.9万円}(税込) |
3億円以上 | {価額の0.44%+163.9万円}(税込) |